数年後、

実際、在り得るかもしれない。
そんな地に足着いたSFだった太田垣康男氏の『MOONLIGHT MILE』が連載当初から僕は相当好きで。
SFというよりは「月」という高みを目指す男二人のビルドゥングス・ロマン(≒男臭さ)の部分を楽しみにしておったわけですが。


第一部終盤は完全に「宇宙戦争」の色が濃くなってしまい、第二部に至っては主人公が吾郎から彼の息子――ムーンチャイルド・歩にチェンジ。完全にオッサンになってしまった吾郎はスペパト(的な組織)の長官ですか……と、大風呂敷の拡げ方があんまし好みでなくなってしまってた。ここんとこ。


で、最新号のスペリオール
(低重力下で生まれ育ち、)月から逃れることの出来ないムーンチャイルドが、
かつて吾郎がロストマンと共に、最高の高みを求め、エベレストのてっぺんから月を見上げたように、
けして行く事の出来ない地球を、月の荒野から見上げている。


ぞくッとしたどころの話じゃない。
セブンイレブンで立ち読みしてて、泣きそうになった。


ここしばらく買ってない『MOONLIGHT MILE』の単行本を買って来ようと思った。