中国史の

司馬遼太郎という認識です。もちろん司馬先生も中国物書いてますが。


介子推 (講談社文庫)宮城谷昌光
介子推 (講談社文庫)
ただ、司馬先生に比べると作者客観視描写が少々硬い印象。すごく真面目な人なんだろうなぁ。
宮城谷先生の長編『重耳』からのスピンオフでありながら、クロスオーバーでもある作りは、介推という人物の単体作としても、『重耳』の補完作としても楽しめる。「清廉潔白」な介推の活躍は、彼の【影】とも言うべき二人のライバルと陰陽の対を為し、嫌味がなくて気持ち良い。
介推について遺されている史実・活躍を考えれば、素晴らしい膨らませ方が為されているんだけど、「前置き」というべきエピソードが長く、その割に全体が短いので、若干食い足りない。


★★★☆☆
(3.5)